中・四国矯正歯科学会

中・四国矯正歯科学会

会長挨拶 2009 (植木 和弘)

挨拶

年頭挨拶 (平成21年1月)

会長 植木 和弘

中四国矯正歯科学会員の皆様におかれましては、ご健勝でご活躍のことと存じます。日頃から、本学会運営につきましては、ご理解と協力をいただき、厚く御礼申し上げます。

さて、本学会では1958年の創設期から今日まで継続して機構改革に取り組んでまいりました。当時の矯正歯科治療まだまだ普及しておらず、学術大会内容は教育的意味合いの強いプログラムが組まれていました。中四国地区に各大学の矯正歯科学講座が誕生する1970年代からの発展期には、大会においても学会雑誌においても臨床はもとより研究の発表が相次ぎ、本来の学会の呈をなしてまいりました。会員数も飛躍的に増加していく中で、学会長には各大学教授にご就任いただき、ご指導を仰ぐと共に各大学には事務局としてお世話いただくなど、まさしく大学依存型の学会として発展してまいりました。

しかし、1990年代の後半、多くの優秀な矯正歯科医を輩出している充実期において、地方学会は民間主導型であるべきとの議論がなされ、開業の矯正歯科医が会長となることを基本に、大学と開業医から選出の理事者による運営に変更されました。評議員が各大学および各県から民主的に選出されるようになったのもこの時期からです。

今日では、会員数もますます増加し、大会の2日制開催や啓発のための市民公開講座の併催などが試行錯誤で行われております。日本矯正歯科学会の地区学会支部化問題はいろいろな波紋を拡げましたが、この事件は改めて日本の矯正歯科界を見直すと共にこれからの本学会の役割とその目指す方向性について熟考する契機となりました。会員数も500名に迫る勢いである本学会においては、まず懸案でありました評議員制から代議員制の移行の方向で環境整備を行い、本学会の将来について十分な議論を戦わせ、迅速に実行していく場を設ける必要がありそうです。現在、本学会の重要事項決定は評議員会を経て、さらに最高議決機関である総会において承認を得るという手順が執られています。しかし、大会会期中に行われる総会への出席者は極めて少なく、形骸化した状態であることに歴代の執行部は苦慮してまいりました。また、年一度の大会日程の中では講演や発表がひしめいており、総会開催のために貴重な1時間を割くことは非常に困難を極めています。

この問題の解決のために、通年の予算・決算および事業計画等については代議員会で最終議決し、本学会の最重要議案については、その都度総会を開催し最終議決する方法を協議しております。この代議員制の最大の欠点は、会員のご意見とご要望を直接お聴きすることができなくなることですが、代議員会を通じて反映させていただくと同時に、大会時における学会運営報告やホームページ等の手段を用いて情報共有化を図りたいと考えています。

本執行部の任期も残り1年となりましたが、民主性を維持させ円滑な学会運営とともに、より余裕のある学術大会進行のために代議員制度について慎重なご協議をお願いしています。会員の皆様におかれましてもどうぞよろしくご理解いただき、より一層の協力をお願い申し上げます。