会長挨拶 2019 (田中 栄二)
中・四国矯正歯科学会会員の皆様へ
年頭挨拶 (平成31年1月)
会長 田中 栄二
まず最初に、昨年7月6-8日の西日本豪雨によって被災されました方々、とりわけ中・四国矯正歯科学会会員の皆様におかれましては、衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、できる限り早期の復興を祈念しております。
昨年のノーベル医学生理学賞に京都大学の本庶 佑先生が選ばれ、またひとり、日本の英知が最高の栄誉を獲得することができました。本庶先生の受賞は、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名オプジーボ)の開発につながる数々の研究成果が評価されたことによるものです。これは優れた「知」の創造が人類社会の発展にとって不可欠であり、現代医学において生命科学研究の重要性が益々大きくなっていることを象徴するものです。
さて、昨年の第61回中・四国矯正歯科学会大会は、2007年の第50回記念大会以来の、岡山市での開催となり、大会運営のため万全の準備をしていただいておりましたが、先に述べた西日本豪雨と重なり、多くの先生方が前日の懇親会や代議員会に参加できない非常事態となりました。大会の開催自体が危ぶまれる中、上岡 寛大会長と川邉紀章事務局長のご尽力により、学会大会は予定通りのスケジュールで開催され、参加者も217名(内、県外147名)となり、盛会に終えることができました。大きな自然災害に見舞われる中、学会大会に参加いたきました中・四国矯正歯科学会会員の皆様に深く感謝申し上げます。
今年の第62回中・四国矯正歯科学会は1993年の第36回大会以来、26年ぶりに広島県呉市にて開催されます。現在、香川国和大会長、野々山大介事務局長のもと、鋭意、大会の準備をしていただいているところです。特別講演では昭和大学名誉教授の福原達郎先生に矯正歯科臨床に関する歴史をお話しいただきます。教育講演では広島大学歯学部教授の村山 長先生に、CAD/CAMなど、矯正歯科医療を含めた歯科医療のデジタル化についてお話しいただく予定です。これまでの矯正歯科とこれからの矯正歯科に関する、きわめて興味深く、魅力的な講演が期待できます。多くの会員の先生方にご参加を心よりお待ち申し上げます。
当学会は会員の臨床技術の向上のための研鑽の場であり、地域社会に対する矯正歯科治療の啓発と正しい情報の発信を推進することを目的としております。より良い、安全安心な歯科矯正治療を提供しうる人材を育成し、地域社会に対する歯科矯正治療の啓発と正しい情報の発信を推進する学術学会として、学術及び文化の発展に寄与し、もって人類の福祉に貢献することのできる学術学会であり続けるべく、役員一同、努力してまいりますので、会員の皆様におかれましても、より一層のご協力をお願い申し上げます。