会長挨拶 2016 (田中 栄二)
中・四国矯正歯科学会会員の皆様へ
年頭挨拶 (平成28年1月)
会長 田中 栄二
温暖化の影響で、暖冬、大雨など異常気象が繰り返して発生しておりますが、中・四国矯正歯科学会会員の皆様におかれましては益々、ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。日頃より本学会運営にあたり、ご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。このたび、中四国地方の国立大学法人歯学部歯科矯正学講座の教授の代変わりが完了し、学会役員につきましても若返りを図るべく、伝統ある当学会の会長に指名していただいたことは光栄であると同時に重責を担うことに身の引き締まる思いです。
当学会は1958年の創立から、今年度で59年目を迎え、2017年には60周年の記念すべき節目となります。創設期には矯正患者人口は少なく、専門開業医も数えるほどでありましたが、1960年代に入り、中四国地方に国立大学歯学部が相次いで創設され、最大で4つの大学(広島大学、岡山大学、徳島大学、川崎医科大学)に歯科矯正学講座が設置されました。これに伴い、当学会の会員数も飛躍的に増加していく中、学会長には各大学教授が就任し、各大学に学会事務局を設置し、大学主導での学会運営がなされてきました。しかし、1990年代後半、日本全国の歯学部歯科矯正学講座の含めた研修機関から多くの優秀な矯正歯科医が輩出され、日本全国に矯正歯科の専門開業医が次々と開設されました。同時期、日本矯正歯科学会の地方学会としての中・四国矯正歯科学会は開業医主導で運営されるべきとの方針が固まり、1998年より開業の矯正歯科医を会長とした学会運営が始まりました。その後19年間、経験豊富で主導力を持った矯正専門開業医が会長として実務をこなし、会員数も500名をこえるほど、規模も大きくなりました。
当学会は会員の臨床技術の向上のための研鑽の場であり、地域社会に対する矯正治療の啓発と正しい情報の発信を推進することを目的としております。今後も、様々な矯正臨床技術をいち早く紹介するとともに、その臨床技術の科学的根拠を提供しうる臨床移行型研究(トランスレーショナルリサーチ)を多く発信できる学術学会を目指して、役員一同、努力してまいりますので、会員の皆様におかれましても、より一層のご協力をお願い申し上げます。