会長挨拶 2026 (上岡 寛)
会員の皆様へご挨拶
会長 上岡 寛

新年度を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。平素より本学会の活動にご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
近年、矯正歯科を取り巻く環境は大きく変化しております。デジタル技術や新規材料・機器の進歩により治療の可能性は大きく広がる一方で、情報の氾濫や広告表現の問題、治療水準の均質化、さらには専門性に対する社会的理解の在り方など、多くの課題も顕在化しております。また、日本歯科専門医機構による矯正歯科専門医の認定が進み、専門性の明確化が図られる中で、私たちはこれまで以上に高い倫理観と説明責任を求められています。科学的根拠に基づいた質の高い医療を提供するとともに、社会に対して正確で分かりやすい情報を発信していくことが、私たちの大切な使命だと考えています。
本学会では現在、矯正歯科治療の意義や適切な治療選択について広く理解を深めていただくための啓発活動を、準備・検討している段階にあります。その一環として、地域社会の皆様により親しみを持っていただけるよう、動画作成、学会ホームページの改定にも取り組んでおります。専門家向けの情報発信にとどまらず、一般の方々にも分かりやすい内容を充実させることで、地域との距離を縮め、信頼関係を築いていきたいと考えております。地方学会だからこそ可能な、顔の見える連携と着実な活動を積み重ねてまいります。
さらに、AIをはじめとする先端技術の臨床応用も重要な課題です。診断支援や治療計画立案などへのAI活用は今後一層進むと予想されますが、その導入には慎重な検討と倫理的配慮が不可欠です。本学会としても、技術に依存するのではなく、臨床家の判断力を基盤とした適切な活用の在り方について問題提起を行い、建設的な議論の場を提供してまいりたいと思います。
本年度も会員の皆様と力を合わせ、地域から矯正歯科医療の質の向上と社会的信頼の確立に努めてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
令和8年3月吉日
上岡 寛